レポート

第4回 NEW CONFERENCE
女性経営者等の活躍に向けた会議 ~女性社長が動かす東京の未来~

分科会1:1億円を目指す!〜経営者としての覚悟
事業の価値を高め、広げてきた道のり。
目標に向けて覚悟し、挑戦する若手経営者たち

「もう1億円を超えているという方、いらっしゃいますか? あっ、結構多いですね。素晴らしい!」と感嘆の声を上げたのは、佐藤真希子氏。独立系のベンチャーキャピタルである株式会社iSGSインベストメントワークス取締役の代表パートナーです。若手経営者がディスカッションするこの分科会で、ファシリテーターを務めます。冒頭で佐藤氏が、オンライン会議の挙手機能を使って参加者に呼びかけるという、双方向の分科会らしさがあふれる楽しいスタートとなりました。

「どのタイミングで売り上げ1億円を達成したのか。また、どのような苦労があったのか、是非生々しく教えていただけたら」と、初めから鋭く切り込む佐藤氏。貴重な体験談への期待が高まります。

「1億まで、相当時間がかかりました」と、リアルな回答で口火を切ったのは、軒先株式会社代表取締役である西浦明子氏。2008年に日本初のスペースシェアリングサービス「軒先」代表としてサービスを開始し、駐車場シェア、飲食店シェアを加えた3つのプラットフォームを運営するまでの経緯を語ります。
「軒先みたいなところを一日数千円みたいな形で貸して、その中の何十パーセントというビジネスなので大変だったんですけど、4年目に駐車場サービス、BtoBからエンドユーザー向けのC向けを立ち上げたとたんに売り上げ規模が伸び、大きなターニングポイントになりました」
佐藤氏が「ターゲットやマーケットを変えることによって、急にぐっと伸びるという成功パターンですね」とうなずきます。

2014年、24歳の時にレストラン「été(エテ)」をオープンした、株式会社エテ 代表取締役社長の庄司夏子氏は、「こういう話、面白いかなと思って、あえてするんですけど」と身を乗り出します。「めっちゃ生々しいんですけど(笑)、23歳で金融機関に行って、借りられたのが1000万だったんですね」と、当時の体験を惜しげもなくシェアします。
「そこから、命がけで頑張ろうと思いました。ビジュアルに圧倒的な強さがあるタルトをつくったところ、『バズ』が起こって、幻のケーキと言われるようになりました」
さらに、徹底的に無駄を省くなど、法人化してからの揺るぎないポリシーも語られます。

スリール株式会社代表取締役の堀江敦子氏は、2010年に人材育成事業に取り組む会社として創業。独自開発した、仕事と育児の体験型プログラムは自治体にも導入されています。
「実は、これから1億円達成するというところです。ライフステージの変化が訪れた時に自分らしく働き続けることが難しい日本に課題を感じ、25歳で起業し、学生が共働きの家に行って仕事と子育ての両立を体験するというインターンシップから始めました。今では社会としてキャリア教育に力を入れるべきという流れができ、大学や行政でキャリア教育プログラムとして取り入れていただいています。また、学生だけでなく、働く方々に向けても意識を変えたいという想いから、企業に向けて女性活躍や管理職向けの研修・コンサルティングを行うなど、そういうことをようやく取り入れていこうという社会になり、事業規模が広がったと思います」

「三者三様、マーケットインではなくやっぱり想いから、自分の体験から、事業を興したというのが本当に印象的ですね」と佐藤氏。さらに、PR、組織や人事、資金調達などについて、活発に意見を交わしていきます。後半は、参加者とのディスカッションです。不動産会社を経営する女性からは、西浦氏に「業界の中でどのように新たな仕組みを構築したのか」、イラストレーターの女性からは、庄司氏に「自分の作品の価値を高めるためには?」などの質問があり、意見を交わしながらディカッションしていきました。

何度も笑いが起こったエキサイティングなトーク。最後に、メッセージをいただきました。
「女性の皆さんは、社会課題を解決するための起業をされている方がとても多いはず。規模を大きくして、社会を変えていくということを、みんなで行っていければと思います」と堀江氏。
「1億が正しいかどうかは分からないですけれど、皆さんが一番豊かな暮らしに近い、そしてストレスなく働けるような目標を目指していただくのが私は一番いいなと思っております」と、西浦氏。そして庄司氏は、「ゼロからイチを作る時は、もう24時間を最初はフル活用して努力しないとその土俵には行けないと思います。そこのフェーズに行ったら、好きなことをやっていい。私は正直言うと、死ぬ気で頑張るしかないという結果でした」と、現実を乗り越えた熱い想いからのエールを贈ります。

佐藤氏が「皆さま、本当に素晴らしいナレッジの共有をありがとうございました!」と締めくくります。大きな決意と覚悟、体験をオープンに語ってくださった経営者たち。パワフルなトークから、事業の成長に向けての力を受け取った時間でした。

佐藤 真希子
株式会社iSGSインベストメントワークス 取締役 代表パートナー

清泉女子大学文学部国文学科(現:日本語日本文学科)卒業。
2000年 株式会社サイバーエージェント入社(新卒一期生)。同社インターネット広告事業本部に配属。2002年に同社ベストプレイヤー賞(MVP)を受賞。同社営業部門では初の女性マネージャーとなり、営業に加え採用・組織構築において同社の事業拡大に貢献。
2006年 株式会社サイバーエージェント・ベンチャーズ出向。9年間ベンチャー投資に従事。
2016年2月、独立系のベンチャーキャピタルである株式会社iSGSインベストメントワークスを立ち上げ、 取締役 代表パートナーに就任。独立系VCでは日本初の女性パートナーとなる。
文部科学省の次世代アントレプレナー育成事業(EDGE-NEXT)の推進委員や城南信用金庫の評議員なども務めている。
2017年-2020年 EDGE-NEXT推進委員

庄司 夏子
株式会社エテ 代表取締役社長

1989年生まれ
2014年24歳の時「été エテ」オープン
ケーキは幻のケーキと称され、世界的アーティストの村上隆や、Tomo Koizumi、Fujiwara Hiroshi,Verdyなどといったコラボも手がけている。
1日1組のレストランは日本人女性シェフとして初めて世界のレストランランキングの1つOADにランクインし、2020年にはAsia’s best pastry chef 受賞。2021年Asia’s best restaurants top100にランクイン。また次世代を担う35歳以下の食にまつわる若手リーダーを選出する50NEXTでは日本から唯一選出される。
第1回東京女性経営者アワード 継続成長部門 受賞。

西浦 明子
軒先株式会社 代表取締役
スキマハンター

上智大学外国語学部卒業後、ソニー(株)入社。海外営業部に所属。ソニーチリに駐在、オーディオ製品などのマーケティングを担当。同社を退社後帰国。創業時のAll About Japanで広告営業を経たのち、(株)ソニー・コンピュータエンタテインメント商品企画部にてプレイステーション2やPSPのローカライズ、商品開発などを担当。妊娠・出産を機に起業を決意。2008年4月に日本初のスペースシェアリングサービス「軒先」代表としてサービスを開始、2009年に軒先株式会社を設立。ポップアップ向けスペースシェアの“軒先ビジネス”、駐車場シェアの“軒先パーキング”、飲食店シェアの”magari”を運営。2017年総務省ICT地域活性化大賞・奨励賞受賞。現在、全国の遊休スペースの活用提案に奔走。

堀江 敦子
スリール株式会社 代表取締役

2010年スリール株式会社創業。女性活躍研修・ダイバーシティ・キャリア教育の分野で、企業/国・地方自治体/大学など多方面で人材育成事業を実施。
企業向けには、「女性活躍から始めるサスティナブル経営の支援」をテーマに、研修・コンサルティング事業を展開。国・地方自治体との取り組みでは、内閣府男女共同参画局 専門委員として第5次男女共同参画基本計画の策定に関わるなど、政策実現に向けて精力的に活動している。独自開発した仕事と育児の体験型プログラム(ワーク&ライフ・インターン/育ボスブートキャンプ)は、第5回経済産業省のキャリア教育アワードを受賞。5つの自治体にて、地方創成・キャリア教育の事業として導入されている。
最近では、女性活躍をはじめとした「多様な人材の活用」をテーマに、立教大学大学院経営学研究科(博士前期課程/リーダーシップ開発コース)にて研究活動に従事している。著書『自分らしい働き方・育て方が見つかる 新・ワーママ入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

開催日時 2021年11月1日(月)13:15-18:30
会場 オンライン開催(ZoomとYouTubeによるライブ配信)
参加対象 企業・団体の代表者、経営者層、個人事業主など(男女不問)