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レポート

第4回 NEW CONFERENCE
女性経営者等の活躍に向けた会議 ~女性社長が動かす東京の未来~

分科会2:会社の未来を考える〜株式公開?それとも?
IPO、M&Aなど、さまざまな成長の選択肢。
女性リーダーたちの決断と行動とは

どんな未来へ向けて、会社経営を進めていくのか。「会社の未来を考える」と題した分科会では、3人の女性経営者が登壇しました。「普段、あまりお話できないようなことをいろいろとお聞きしたいなと思っています」と切り出したのは、株式会社ノンストレス 代表取締役の坂野尚子氏です。「ネイルクイック」など全国展開のネイルサロン経営、ジェルメーカーなど、ストレスのない日々を創造するサービスを展開しています。

坂野氏が「去年の 第3回 N E W CONFERENCEが終了した時刻に、まさに上場承認が下りたんですよね」と語り掛けたのは、株式会社ポピンズホールディングス 代表取締役社長の轟麻衣子氏です。全国に保育教育施設、ナニー(教育ベビーシッター)、介護サービス事業を展開するポピンズホールディングスは、2020年12月に日本初のSDGs-IPOとして東証一部上場しました。
「分科会で登壇をさせていただいた後、上場承認が下りまして、皆様にお祝いいただいたのを本当に光栄に覚えています」

「私もIPO したいなと思ったのが、この N E W CONFERENCEの第1回目に出席した時でした」と続けたのは、女性による営業アウトソーシングのパイオニアで、株式会社Surpass代表取締役CEOの石原亮子氏です。「その時、私はオーディエンスの一人だったんですけど、『ウーマノミクス』のキャシー松井さんが、女性の役員比率が20%以上だとROEやROAの業績が良いというレポートを発表されていましたね」と、当時を振り返ります。

最初の話題は、ポピンズホールディングスの上場について。轟氏が上場の準備を始めたのは、2年前とのこと。坂野氏は「多分、東証だと最短の記録ではないですか?」と驚きます。
「どうなんでしょう。でも、やるからには、このタイミングは逃さないという、全社が一致団結して向かっていた2年間でした。SDGsという大切なゴールに向けて、それが経営のど真ん中にある私たちが、公の器としてしっかりと認知を上げて事業拡大していくべきなのではないか、その想いが全てだったと思います」

坂野氏も、自身の体験を語ります。
「私自身は1996年に創業して、最初からビジネススクールの友人達に出資してもらったりして、IPOが最初から頭の中にありました。まだ公開はしてませんけれども、やはり公開するというのは責任ももちろんありますし、ずっと成長を遂げていかなくてはいけないというところが、課題でもあるかなと思いますね」

石原氏は、「ショートレビューを終わったばかり」とのこと。「最短で行けば2年で行きたいですけれども(笑)、3年ぐらいを目処にというふうには思っていますね」と言います。
「3年前のN E W CONFERENCEで、初めてIPOを自分ごととして意識したんですけれど、それまでは、もう本当によくあるゼロイチのベンチャーから紆余曲折あって、毎日が一生懸命でした。こういった私たちのような会社がIPOをすることで、女性の活躍の場が広がり、女性役員や管理職の数が増えればやっぱり一つの流れになっていくということで、今はそこを目指したいと思っています」

話題はさらに、資本政策、機関投資家の比率、監査法人の選び方など、坂野氏が積極的に切り込んで広がっていきます。「株式公開?それとも?」というタイトルに答える形で、IPOではない選択肢、M&Aのポイントなども語られました。

最後に、3人の登壇者からメッセージが贈られます。石原氏は「昭和からほとんど営業の形が変わっていない会社も多い中で、平成はその余韻で来てしまった。今、進化せざるを得ない状況に来て、私たちのような営業のプロが必要とされる機会が多くなりました。これをチャンスと捉えて、新しい職種を作っていくぐらいの気持ちで進めていきたいなと思っております」と力強い言葉が。

轟氏は、「経営者は悩みがちですが、本当に難しい時、私は人に頼っています。必ずそこにサポーターが出てきてくれるというのは、ソーシャルビジネスの素晴らしいところです。是非皆さんも頑張って、第一歩、第二歩を踏み出していただけたらなと思います」と、温かく締めくくります。

坂野氏も、「一つひとつの会社の規模がGDPにつながっていくということで、東京が、日本が、元気を取り戻していくことの礎になるその息吹を、頼もしく感じております」とうなずきます。
「オフレコのようなお話ばかりですけれど、私も聞きたいことがいっぱいあったので、ガンガン聞いてしまいました(笑)。ありがとうございました」と締めくくった坂野氏。前進する女性経営者たちのリアルな体験談がたっぷりと詰まった、貴重なひとときでした。

石原 亮子
株式会社Surpass 代表取締役CEO

短大卒業後、大手生命保険会社でトップセールスとして活躍。一部上場企業からベンチャー企業まで100業種以上の営業実績を持つ。2008年8月 株式会社Surpassを創業。
LTV(永続的な信頼関係と売上の構築)を重視した女性による営業アウトソーシングのパイオニア。2021年、営業DXと女性育成ノウハウを活かし、徳島市やさぬき市とジェンダー格差改善を目指した連携協定を締結。「Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2017」企業部門第3位の受賞を始め、女性が活躍する企業として多くの賞を受賞。
「EO Central Tokyo」理事、グローバル起業家ネットワーク「WAOJE」東京支部理事など起業家支援機構でも幅広く活動している。

轟 麻衣子
株式会社ポピンズホールディングス
代表取締役社長

12歳からイギリスの全寮制私立学校に単身留学し、ロンドン大学King's Collegeに入学。INSEADにてMBAを取得。
外資系金融、ラグジュアリー業界に勤務し、25年間の海外生活(英・仏・シンガポール)を経て2012年に日本に帰国。母、中村紀子が1987年に創業した株式会社ポピンズに参画し、2018年代表取締役社長に就任。2020年ポピンズホールディングス代表取締役社長就任。
「働く女性の支援」というミッションの元、全国326ヶ所の保育教育施設、ナニー(教育ベビーシッター)・介護サービス事業を展開。2020年12月日本初のSDGs-IPOとして東証一部上場。
経済同友会幹事、日本経済団体連合会会員。

坂野 尚子
株式会社ノンストレス 代表取締役

国際基督教大学を卒業後、フジテレビアナウンサー、NY特派員を経て、コロンビア大学MBA修得。外資系コンサルティング会社KPMGでディレクター勤務後、94年から(株)キャリア戦略研究所起業。
その後、96年「ザ・クイック」(05年1月より「ノンストレス」に社名変更)を設立。全国展開のネイルサロン「ネイルクイック」とその姉妹店の「ネイルパフェ」、「スパネイル」を経営。NYにも2013年に店舗を開店したが、コロナで、5月に閉店。
「ネイルパフェジェル」のジェルメーカーとしても事業展開中。
著書に「女三十歳、ひとり海を渡る」(あき書房)、「女性の知らない7つのルール」(訳・ダイヤモンド社)、「キャリアカウンセラーが教える“いい仕事”ができる女性」(PHP文庫) など。講演多数。

経済産業省 産業構造審議会 委員
神奈川県なでしこブランド審査員
2018年 日本スパ・ウエルネス協会 IPSN栄誉賞受賞
国際基督教大学 評議員

開催日時 2021年11月1日(月)13:15-18:30
会場 オンライン開催(ZoomとYouTubeによるライブ配信)
参加対象 企業・団体の代表者、経営者層、個人事業主など(男女不問)
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