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レポート

第4回 NEW CONFERENCE
女性経営者等の活躍に向けた会議 ~女性社長が動かす東京の未来~

分科会5:人財を採用し組織を作る
ぶれずに動く。人を活かす。課題は「面」で考える。
リーダーたちが考える、人財と組織

人財と組織について、女性リーダーたちが語り合うセッション。ファシリテーターは、株式会社ワーク・ライフバランスで取締役・パートナーコンサルタントを務める大塚万紀子氏です。
「株式会社ワーク・ライフバランスは2006年に創業、今年で15年を迎えました。メンバーは30人という少数精鋭で、働き方改革のコンサルティングを行っています。人財や組織に長年関わってきていますが、まだまだ悩みもあります。今日は、私も学ばせていただけたらと思っております」

訪日旅行客向けグルメプラットフォームなどで手数料の一部を世界中の子どもたちの給食支援に充てるソーシャルビジネスを展開する、株式会社テーブルクロス。CEOである城宝薫氏は「33名の社員と40名ほどのフリーランスの方が携わっています。社員は11ヵ国でリモートワークを導入しているので、時差が大変というところが悩みの部分です」と、現在の課題を語ります。同時に「コミュニケーションが大事だという意識が社内で芽生え、ひとりひとりが働きやすさを意識しています」という、前向きな変化も。

2006年創業時は人材派遣業、2009年から業務転換を図り、現在は化学品の専門商社として400社以上の中国サプライヤーから医薬品中間体、電子材料等を委託製造・輸入し日本の大手製薬会社・化学品会社などに供給しているATTO株式会社。代表取締役の青山今子氏は、現在、積極的に事業拡大に取り組んでいます。
「昨年3月以降、大胆に、果敢に人財を採用しました。そのなかで一生懸命、私が伝えているのは、『自社の文化になじもう』ということ。大手でキャリアを積み、そのロゴで仕事をしてきた人に、『ATTOのロゴは誰も知らない、我々の努力でブランド化しよう』と言っています」

スマートフォンなど先進の機器に欠かせない表面処理技術を担う、日本電鍍工業株式会社。父の後を継ぎ、2000年から代表取締役を務める伊藤麻美氏は、「なかなか脚光を浴びない現場なので、当時は挨拶もしない社員も少なくありませんでした。そこで、環境をきれいに整え、雰囲気を変えようと取り組みました。毎年新卒を入れ、平均年齢が59歳から30代後半まで下がっています」と、次世代人財を活用することから始めた革新を語ります。採用のポリシーは「学歴やバックグラウンドではなく、ベンチャースピリットを重視」とのこと。

「せっかくの場ですので、ここでしか言えない、とっておきの体験を是非お伺いしたいのですが」と大塚氏が呼びかけると、雰囲気はさらにフランクになり、「いっぱいありますよ!」と、参加者だからこそ聞けるオフレコの体験談が続きます。話題はさらに、コロナ禍における社員とのコミュニケーションなどへ展開していきました。

最後に、参加者へのメッセージです。伊藤氏は、「ぶれてはいけないですね」と切り出します。
「信念を強く持つこと。そして、後ろ向きになってはいけない。常に上を向いて明るい方を見て、経営理念を貫き通すことが大切だと思います。当然、人間なので、迷うことはあっても、それを見せてはいけない。強いリーダーであり続ける。強いというのは、優しくありながらの強さですね」

青山氏も力を込め、「常に社員に言っていること」を語ります。
「今の時代を生きる我々は、日々新しい課題が目の前に落ちてきます。その時に、点を拾うのではなくて、面で物事を考える。点と点をつないで面で考えれば、怖いものはありません。自分のペースで仕事をして、自分の人生を歩むというところで、面で考え、解決しましょうというのが私の理論です」

城宝氏は、「8年間の経営の中で、人財で反省した時がありました」と振り返ります。
「人に関して、『切る経営』をしていた時代がありましたが、切るのではなく『活かす経営』をすべきだというのを本当に感じています。そうすることで、会社の中で文化がつくられてくる瞬間を目の当たりにすることができました。自分の反省を語り始めると暗黒時代があるんですが(笑)、身をもってそのことを伝えたいと思います」

そして、大塚氏が温かく締めくくります。
「伊藤さんは冒頭からぶれずに、チェンジとおっしゃっていたのが印象的でした。青山さんは、目先の物事にとらわれず、先を見通しましょうとのこと。そして城宝さん、暗黒時代はまた別の機会にシェアしていただきましょう(笑)。皆さん、赤裸々に本音を語っていただきました。人財と組織は永遠のテーマだと思いますが、またお話を伺えたらなと思っております」

業態、業種、規模も異なる経営者たちが語るリアルな体験のなかに、熱いエールが感じられるひとときでした。

青山 今子
ATTO株式会社 代表取締役

2006年にATTO(エイティーティーオー)を設立。2008年から化学品の専門商社となり、平均成長率20%以上で成長。現在、400社以上の中国サプライヤーから、延べ40万件以上の化学品を日本の大手製薬、化学系企業に供給し、既に3つの新薬の上市に貢献している。
第1回東京女性経営者アワード 持続経営部門 受賞。

伊藤 麻美
日本電鍍工業株式会社 代表取締役

東京出身。1990年上智大学外国語学部比較文化学科卒業。Business/Economicsをメジャー。約8年間のFMラジオ・TVなどのパーソナリティーを経て、1998年米国California州Carlsbadに留学。宝石の学鑑定士・鑑別士GGを取得。2000年日本電鍍工業㈱ 代表取締役に就任。2012年、日本アクセサリー㈱ 代表取締役社長、㈱ジユリコ 代表取締役社長に就任。

大塚 万紀子
株式会社ワーク・ライフバランス
取締役・パートナーコンサルタント

株式会社ワーク・ライフバランス 取締役・創業メンバー・パートナーコンサルタント。金沢工業大学大学院客員教授。財団法人生涯学習開発財団 認定コーチ。一般社団法人日本MBTI協会認定MBTIユーザー(Japan-APT正会員)。
自らのマネジメントスタイル変革の経験や、高度なコーチングスキル、コミュニケーションスキルを活かし、様々な働き方改革を効果的に遂行している。中でも多くの経営者から“深層心理まで理解し、寄り添いながらも背中を押してくれる良き伴走者”として厚い信頼を得る。内閣府、経済産業省、敷島製パン(株)、(株)リクルートスタッフィングなどで働き方の見直しコンサルティングを提供し、好評を博している。農林水産省「食品産業戦略会議」委員(働き方改革分野担当)、神奈川県「地方創生推進会議評価部会」委員なども担当。二児の母。

城宝 薫
株式会社テーブルクロス 最高経営責任者CEO

株式会社テーブルクロス最高経営責任者CEO。訪日旅行客向けグルメプラットフォーム「byFoood.com」と、飲食店検索メディア「テーブルクロス」を運営。予約が入ると世界中のこどもに寄付を届けSDGsを推進。EY主催WWN2018受賞。EO GSEAグローバルコンテスト日本代表、スイス最古のシンポジウム「St.Gallen Symposium」日本代表。経済産業省や内閣府をはじめ、企業・経済団体・大学・NPOなどでの講演多数を行う。

開催日時 2021年11月1日(月)13:15-18:30
会場 オンライン開催(ZoomとYouTubeによるライブ配信)
参加対象 企業・団体の代表者、経営者層、個人事業主など(男女不問)

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