セミナー

TOKYO女性経営者塾 by N E W
第1回 ワーキングマザーは経営者に向いている!?

日時 2022年6月24日(金)15:00〜17:00
講師 株式会社キャリア・マム 代表取締役
堤 香苗
進行 株式会社イー・ウーマン 代表取締役社長
株式会社ユニカルインターナショナル 代表取締役社長
佐々木 かをり

ママ3人の育児サークルから、11万人のネットワークへ。
独自のビジネスモデルで、
女性の「働きたい」を社会とつなげる。

女性経営者のためのテーマ型セミナー「TOKYO女性経営者塾 by N E W」。2022年度第1回の講師は、自分らしく働きたい女性たちに活躍の場を提供する(株)キャリア・マム代表取締役の堤香苗さんです。ママ仲間とともに起業した堤さんが語る、ワーキングマザーならではの強み、経営で活かせるスキルとは? 経営をスタートしてからの道のりについて、ご自身の経験をお話いただきます。

子育て中の在宅ワークを叶える、チーム型アウトソーシング

「お申込みの方がものすごく多いことをこの会場で知って、『いやいや、緊張しちゃいかん! いつもの堤でやらなければ』と思っております」と、元気いっぱいの笑顔を見せる堤さん。現在はキャリア・マムの代表取締役を務めながら、日本テレワーク協会理事や中小企業庁・中小企業政策審議委員会なども担う多忙な日々を過ごしています。

2000年に設立したキャリア・マムの経営理念は、「女性のキャリアと社会をつなぐ」。現在の事業は、大きく3つに分かれます。1つ目は「法人事業部」。大量のデータ処理などをアウトソースしたい企業と、子育て中でも働きたい女性たちとのマッチングを行っています。業務はすべてテレワークで、オンライン上でワーカーが相互に業務をカバーできるビジネスモデル「チーム型アウトソーシング」を確立しています。

さらに、国や自治体からの受託で女性の就業訓練セミナーを運営する「官公庁事業部」、保育室を併設したコワーキングスペース「CoCoプレイス」の運営を担う「コワーキング事業部」も展開。現在は多摩市にある「CoCoプレイス」について、堤さんは「できればフランチャイズで日本全国に広げたい」と意気込みます。

日々鍛えられているワーキングマザーは、マルチタスクに強い

早稲田大学在学中から、アナウンサーなどの仕事をフリーランスで請け負っていた堤さん。結婚、そして妊娠で、一度は仕事から離れます。そして、いわゆる「公園デビュー」。そこで、障がいのある子どもとお母さんが周囲と距離を置き、孤独に陥っている姿を目の当たりにし、「自分が行動しなければ」と、3人のママ仲間による育児サークル「PAO」を立ち上げます。1995年の結成後初のイベントには、1500人もの親子が集まりました。

このイベントは様々な子育て雑誌で取り上げられて注目を集め、堤さんはママ仲間との起業を決意。ライフステージの変化で仕事から離れた自身の経験を振り返り、出産や育児で仕事をやめてしまった女性たちの「働きたい」という気持ちを後押しし続けています。そして現在は、主婦11万人が登録するネットワークに成長しました。

ここからテーマは本題へ。「ワーキングマザーは、経営者に向いている」と堤さんは断言します。その理由は、家事育児によって日常的にマルチタスクをこなしているから。「経営者は、同時にすべてのことが見えてフォローに回らないといけない。子育て中は、この能力が筋トレのように鍛えられています」と力強く語ります。

さまざまな環境を背景に、高まるコミュニケーションスキル

さらに、「ワーキングマザーは、コミュニケーション能力が磨かれます」と言う堤さん。職場や取引先だけでなく、ママ友、町内会、PTAなど、様々なレイヤーの方と話さなければならない日々が、スキルアップにつながるとのこと。

また、「コミュニケーション」の語源は「お互いに変わる」という意味であり、一方的ではなく相手の行動を変えるために、「相手に関心を持つ」「相手のことを好きになる」「信頼される人間に」など、想いを伝えるためのポイントを語ってくださいました。
「ワーキングマザーは、自分ひとりで何でも決められた独身時代と比べると大変なことが増えていますよね。でも、それは自分自身のトレーニングと考えればいいじゃないかと思います」と、堤さんは語ります。
「周りの話が聞けるようになり、色々な調整力がつく、そして自分のペースでキャリアアップできるなどの環境が整うのが経営者。私は100万回生まれ変わっても、絶対に経営者になると思っています」

前向きな言葉があふれる前半のセミナーは、「いま目の前のことに、一生懸命取り組む」という堤さんの座右の銘で締めくくられました。

一人で完結せず、人に任せて信頼を築くと、パワーが生まれる

後半は、佐々木かをりさんが進行を務めるトークショーです。コンサルティング会社と通訳・翻訳会社という2つの会社を経営する佐々木さん。ご自身も堤さんと同じく2人の子を持つワーキングマザーであり、時間管理のパイオニアとしても人気を博しています。佐々木さんも、「子育てで、タイムマネジメントとリスクマネジメントが圧倒的にスキルアップしています」と、この日のテーマに共感しました。

「経営者として一番困難だったことは?」という佐々木さんの問いかけに、過去の失敗をありのままに語ってくださった堤さん。「失敗すると、工夫するようになりますね」という言葉に、佐々木さんも思わず笑いながら「すごくクリエイティブになりますよね」とうなずきます。その後は参加者からの質問を募り、「仕事が忙しいときと、子育ての困りごとが重なったときの乗り越え方は?」「今年起業したばかり。人脈作りはどこから始めたら?」などの質問に、お二人が真摯に答えていきました。

「忍耐力が必要なことと、どんなに課題があっても責任を持って、腹をくくって進んでいくところが、子育てと経営の似ているところですね」と、佐々木さん。「そうですね。そのとき、自分で全部やってしまうと成長しない。うまく人に任せて、信頼が回っていくと、それがパワーやエネルギーを生んでいくのではないかと思います」と、堤さんから参加者へ温かなメッセージが送られました。

最後のネットワーキングでは女性経営者同士の新たなつながりが生まれ、今回も学び合う意欲に満ちたパワフルなひとときとなりました。

堤 香苗
株式会社キャリア・マム 代表取締役

株式会社キャリア・マム代表取締役。早稲田大学第一文学部卒業。
結婚や出産に関わらず、仕事と家庭のどちらも大切に自分らしく働きたい女性たちの活躍の場を提供することを志し、株式会社キャリア・マムを設立。
「女性のキャリアと社会をつなぐ」を経営理念とし、ライフイベントを機に離職した女性たちの再就業や起業といった新しい働き方を推進しています。
日本テレワーク協会理事 一般社団法人日本リモートワーク就労環境創造支援機構会長 ほか

佐々木 かをり
株式会社イー・ウーマン 代表取締役社長
株式会社ユニカルインターナショナル
代表取締役社長

ダイバーシティの第一人者。1996年から日本最大級のダイバーシティ会議「国際女性ビジネス会議」を企画・プロデュース、2000年から「イー・ウーマン」サイトを中心にダイバーシティ関連のコンサルティングおよび研修・講演。組織の多様性と成長性を分析する「ダイバーシティインデックス」を開発。また、内閣府男女共同参画会議、厚生労働省をはじめ多くの政府審議会等の委員を務める。世界銀行「女性起業家資金イニシアティブ(We-Fi)」日本代表。日本代表としてAPEC、OECD等国内外での講演も通算1,700回以上。これまで東京大学、上智大学など複数の大学、高校等で教鞭を執る。また、「アクションプランナー」と佐々木メソッドによる時間管理術は日本の時間管理・手帳ブームをつくり毎月の講座も「人生が楽しくなる」と人気。テレビ朝日「ニュースステーション」レポーター、TBS「CBSドキュメント」アンカーなど歴任。現在もテレビ、雑誌、新聞等のコメンテーターを務める。2009年ベストマザー賞受賞。2021年「ブルガリ アウローラ アワード2020」受賞。神奈川県横浜市生まれ。上智大学外国語学部比較文化学科卒業。米国ニューヨーク州エルマイラ大学に留学。2008年名誉文学博士号授与。2児の母。