セミナー

TOKYO女性経営者塾 by N E W
第4回 出資したくなるビジネスプレゼンテーション

日時 2021年12月2日(木)15:00〜17:00
講師 株式会社Leaflow 代表取締役CEO
長森 ルイ
株式会社日本政策金融公庫 国民生活事業本部 東京創業支援センター 所長
藤見 佳奈枝
進行 株式会社イー・ウーマン 代表取締役社長
株式会社ユニカルインターナショナル 代表取締役社長
佐々木 かをり

「プレゼンとは?」から始める、勝つための準備。
事業計画書を作成し、融資制度の活用も

女性経営者のスキルアップを応援する「TOKYO女性経営者塾 by N E W」。今回は、株式会社Leaflowの代表取締役CEOを務める長森ルイさん、そして日本政策金融公庫 東京創業支援センター所長の藤見佳奈枝さんを講師に迎えました。出資したくなるプレゼンの極意、さらに融資制度の活用などについて伺います。

たどり着きたい結果は、「応援したい」と思ってもらうこと

本日一人目の講師である長森ルイさんは、2013年にキャリーオンを設立。子ども服の買取・販売コミュニティを手掛け、国内最大級のサービスに成長させました。2021年にキャリーオンを売却し、2社目となるLeaflowを2021年に設立しています。

「日本では非常に数少ない、シリアルアントレプレナーです」と、自己紹介する長森さん。「起業家という生き方が好きなんですね。Leaflowは、資金調達の真っ最中。大変かつ一番面白いところです」と、冒頭からパワフルに、笑顔で語り始めます。

まずは、「プレゼンとは何か?」という基本から。「ここをぼんやりさせたまま、走りだしてしまう方が多い」とのこと。「自分の事業の魅力をわかってもらうため」ということをしっかり押さえ、誰に向かってプレゼンをするのか、どんな結果を得たいのか、得られなかった場合はどうするのか、といったことを明確にする必要があると言います。
「たどり着きたい結果は、ただひとつ。応援したいと思ってもらう、これに尽きます」

ピッチのために研究をする時代。入念な準備と練習は不可欠

ストーリーの作り方、対話であることを意識するなどの具体的なポイントが語られ、話題は「勝つために必要な準備」へと展開します。
「2014年から2015年くらい、私がピッチにたくさん出ていたときは、プレゼンスキルだけで勝負できた時代でした。しかし、今はみんな研究をしてきているので、準備なしでは勝てません」

プレゼンには大きく分けて「投資家向け」「顧客向け」の2パターンがあること。さらに、長森さんご自身がステージに立った写真を豊富に紹介しながら、スライドの枚数、スクリプトの作り方、オンラインとオフラインの違いなどが分かりやすく解説されていきます。練習方法としては、「いったん暗記する」「ビデオに録る」など、実体験に基づくアドバイスがたっぷりと、惜しげもなく語られました。

「私は、なぜ頑張っているか。それは、少しでもひとつ下の世代に返していきたいから。今日は女性起業家の皆さんが集まっていて、励まされる思いです」という温かな言葉で、セミナーが締めくくられました。

融資制度を活用する。事業計画書は「自分のため」に

続いて、日本政策金融公庫の東京創業支援センター 所長、藤見佳奈枝さんの登場です。創業支援を積極的に行っている国民生活事業では、令和2年度末で融資先数が117万先にのぼり、融資額は300万円以下が約3割と小口融資が多いとのこと。主な創業者向け融資制度として、「女性、若者/シニア起業家資金」が紹介されました。
「制度はどれを使ったらいいかわからないという質問を受けるんですが、審査にお申し込みいただければ、お客さまに適切な制度をお選びしてご提案します。ですので、いつ、いくら、何のために必要なのかを考えることに時間を割いてください」

さらに「事業計画書のポイント」についても、具体的なステップが詳細に語られます。
「計画書は、自分のために作ってくださいと、強く言いたいです。自分がどういう計画を立てて、何をやるべきかを明確にしていないと、つまずいたときに、どこを補強すればいいのかがすぐにはわかりません。公庫が行った2017年度調査結果によると、計画書を作成した方のほうが「創業後の売上が増加傾向」とした割合が多い結果となっていますので、ぜひ計画書を作っていただければと思います」

フリートークで、貴重な体験談も続々と!

2人の講師とともに、イー・ウーマン及びユニカルインターナショナルの代表取締役社長である佐々木かをりさんが登場しました。3人のフリートークでさらに楽しく、学びを深めていきます。

佐々木さんが「私がユニカルインターナショナルを創ったのは35年前。ピッチなんていう言葉もない時代だったので、知り合いや銀行員の人に一生懸命説明して融資を受けるとか、そんなことばかりだったんですね」と、創業時を振り返ります。

そして「長森さん、何回くらいピッチをして、どれくらいの成功率だったんですか? 生々しいお話も教えていただいていいでしょうか」と積極的に問いかけると、長森さんも笑顔で、「優勝はできなかったけれど、最終選考まで全部残りました。VCさんの目に留まり……」と、具体的な金額を出しながらの情報が。「ここだけの赤裸々な話です」と、貴重な体験談をシェアしてくださいました。

藤見さんには、「事業計画書で特に重視するのは?」と佐々木さんが質問。すると「正に我々が言いたいこと。創業動機、事業経験などは、過去から積み重ねた結果が反映されるため、事業を行う上で必要な能力等が備わっているか判断するうえで非常に重要です。また、今後の資金計画や予測収支計画などは、妥当性や整合性などを重視しています」と、ここでも貴重なアドバイスをいただきました。

女性経営者がつながり、課題を共有し、助け合える場に

後半は、参加者の質問を募ります。「事業が想定よりも早くうまくいった場合、どんなリスクがある?」「個人投資家については、どのような位置付けで考える?」などの問いかけに、講師たちが実体験も交えながら答えていきました。

最後に、講師たちから参加者へのメッセージが贈られます。
長森さんは「ビジネスはもともと男性が中心の世界で、女性があとから入ってきました。先住民族に敬意を払いつつ(笑)、我々がエイリアンとして滅亡しないように助け合いたいなと、常々思っています」と、ユーモアたっぷりに語りました。

藤見さんも、「金融機関の人間として、女性が頑張っているのを見ると私もワクワクします。もっとこの輪が東京から全国へ広がってほしいし、このつながりを大切にして、後輩たちのためにも続けていっていただけたらと思います」と、参加者に呼びかけます。

佐々木さんは、「女性経営者のつながりって、課題も共有できるし、助け合えるし、すごく重要。ぜひ皆さんも、つながっていただけたらと思います」と、この後のネットワーキングへの期待を込めて締めくくりました。

長森 ルイ
株式会社Leaflow 代表取締役CEO

慶應義塾大学卒業後、デンマークの海運世界最大手Maersk Lineに入社。その後フリーランスの日英バイリンガルMC/通訳として主に国際会議やスポーツ国際大会、海外トレードショー等で活躍し、2013年株式会社キャリーオンを設立。子ども服の買取・販売コミュニティ「キャリーオン」は、ママのニーズを捉えた手軽な出品方法、丁寧な商品管理、高品質な販売商品などの特長が多くのユーザーの支持を集め国内最大規模のサービスに成長。同社事業を通じてSDGs5、12の達成にも寄与し、2020年退任。2021年キャリーオン売却。2021年、CBD輸入販売を手掛け「すべての人に"自分サスティナブル®"なライフスタイルを提供する」をビジョンとした株式会社Leaflowを設立し、代表取締役CEOに就任。日本ではまだ数少ない女性のシリアルアントレプレナーとして活躍するかたわら、Startup Lady Japan理事、One Young World Japan理事として、女性アントレプレナーおよび日本を支える次世代グローバルリーダーの育成にも従事。

藤見 佳奈枝
株式会社日本政策金融公庫
国民生活事業本部
東京創業支援センター 所長

入庫以来、大手町支店(現東京支店)、名古屋中支店、本店創業支援部にて数多くの創業融資に携わる。その後、堺支店の融資課長を務め、地域の民間金融機関や支援機関と連携した協調融資等に取り組む。また、女性の視点から経営支援の現場を活性化させることを目的とした「女性経営支援者ネットワーク」の構築にも尽力。
2021年3月、東京創業支援センター所長に就任。創業者向けのセミナーの企画・開催、女性起業家やベンチャー企業への資金調達支援等を担当している。

佐々木 かをり
株式会社イー・ウーマン 代表取締役社長
株式会社ユニカルインターナショナル 代表取締役社長

ダイバーシティの第一人者。1996年から日本最大級のダイバーシティ会議「国際女性ビジネス会議」を企画・プロデュース、2000年から「イー・ウーマン」サイトを中心にダイバーシティ関連のコンサルティングおよび研修・講演。組織の多様性と成長性を分析する「ダイバーシティインデックス」を開発。また、内閣府男女共同参画会議、厚生労働省をはじめ多くの政府審議会等の委員を務める。世界銀行「女性起業家資金イニシアティブ(We-Fi)」日本代表。日本代表としてAPEC、OECD等国内外での講演も通算1,600回以上。これまで東京大学、上智大学など複数の大学、高校等で教鞭を執る。また、「アクションプランナー」と佐々木メソッドによる時間管理術は日本の時間管理・手帳ブームをつくり毎月の講座も「人生が楽しくなる」と人気。テレビ朝日「ニュースステーション」レポーター、TBS「CBSドキュメント」アンカーなど歴任。現在もテレビ、雑誌、新聞等のコメンテーターを務める。2009年ベストマザー賞受賞。2021年「ブルガリ アウローラ アワード2020」受賞。神奈川県横浜市生まれ。上智大学外国語学部比較文化学科卒業。米国ニューヨーク州エルマイラ大学に留学。2008年名誉文学博士号授与。2児の母。