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レポート

第3回 NEW CONFERENCE
女性経営者等の活躍に向けた会議 ~女性社長が動かす東京の未来~

分科会5:「こんなロールモデルに会いたかった」成功起業家たちから学ぶ
失敗も含めてチャレンジを重ね、
チャンスをつかみ、掲げた理想へ

起業家として大きな成功を収めた女性リーダーから学ぶ分科会。ファシリテーターは、1996年に創業し、ネイルサロンなどを展開する(株)ノンストレス代表取締役の坂野尚子氏です。

まずは、(株)ポピンズホールディングス代表取締役会長の中村紀子氏が、起業家として大切にしてきたことを挙げます。1987年、働く女性を支援するために創業。在宅保育サービスなどを展開する同社の代表を務めあげ、2018年より会長に就任しています。
「1つが、チャンスは貯蓄できないということ。2番目、フェイクニュースなどがある時代なので、リアルで情報を入手する。3番目は、部下には無茶な要求でサービスの完成度を高めること。4番目は、常識や当たり前といわれていることを否定する。私は特に、規制改革を進めてきました。5番目は、掲げた理想は絶対下げない。私は最初から働く女性を支援すると言い続けて、ここまでやってきました。以上の5つが、自分自身がとても大切にしてきたことです」

最先端のエレクトロニクス製品の製造工程向けの検査ロボットで世界的ブランドを構築した秋山咲恵氏は、1994年に創業。25年間、(株)サキコーポレーション社長を務め、2018年に退任し、現在は上場企業4社の社外取締役を務めています。
「創業社長として世界50か国以上のお客様に私たちの検査のロボットを納入し、10か国以上の国に社員を持ち、世界中で事業を展開してきました。その会社を傘下に入れさせていただき、私は経営から卒業したという経験があります。自分が思い描いた未来は、時代の流れでどんどん変わります。キャリアは必ずしも一本槍でずっといく必要はない。私はひとつのキャリアをいったん終え、これからもいろいろなチャレンジを重ねていきたいなと思っています」

アメリカで起業し、2008年に上場を果たしたネットイヤーグループ(株)の代表取締役社長CEOである石黒不二代氏は、「IT業界は小さな会社が多く、多様なサービスがあって、お客さまの混乱を招いている」という課題に着目しています。DXなどデジタルマーケティングの支援を行い、現在は250社余りのクライアントにサービスを提供しているネットイヤーグループ。その可能性が、2019年に大きく飛躍しました。
「お客さまにとってわかりやすい統合的なサービスをしたいということを、10年ぐらい前から考えていて、昨年実現しました。今は上場を維持しながらNTTデータの連結子会社になっています。上手い形に持っていくために、今、まさにチャレンジ。これからです」

坂野氏自身は、25年の歴史のなかでキャリア系の企業経営なども経験しながら、現在は全国展開のネイルサロンやプロダクトなど、ネイル業界の「川上から川下まで」事業を拡大。「コンビニタイプのフィットネスを手掛けて24店舗まで広げましたが、9年で撤退したりと、成功というよりも本当に失敗だらけ。皆さんは、一番つらかったことは?」
坂野氏の言葉に、「社員が一気にやめてしまったとき」「リーマンショックで奈落の底に…」「資金調達をしながら、もうなんだかいやだなと思った時期も」など、本音が飛び交います。さらに、そこからどう立ち直ったのか、考えを切り替えるアイデアなども。

後半のディスカッションでは、参加者からは「これから起業したいが、不安がある。怖さに打ち勝つ方法は?」という質問が出ました。すると秋山氏からは「人間の素晴らしいところは、どんなことにも慣れるということ。人生がダメになるほどの失敗って、そうそうはないんですよ。失敗も含めてチャレンジして、その結果を自分で受け止めるということが早道だと思います」と力強いアドバイスが。さらに中村氏からは「本当にしたいことが見つかっていないために、そこからくる怖さがあるのでは」という鋭い指摘も。石黒氏は「大きい会社にいると非合理なことが多すぎるので、起業のほうがむしろ合理的。正しく進んでいけるという自信を持たれたらいいと思います」と前向きな言葉を贈りました。

さらに「事業を多角化しているが、絞ったほうがよいのか」など、参加者それぞれの背景とともに質問が投げかけられ、スピーカーたちが真摯に向き合い、答えを探っていきました。「自分の羅針盤を常に真正面に置いておく」「自分が念じれば必ず成功できる」など、熱い言葉があふれたディスカッション。そうそうたるメンバーから、大きな勇気をもらった時間でした。

秋山 咲恵
株式会社サキコーポレーション ファウンダー

1994年株式会社サキコーポレーション創業。
最先端のエレクトロニクス製品の製造工程向けの画像認識技術を使った自動外観検査装置メーカーとして世界的ブランド構築。
2018年社長退任。ソニー、オリックス、日本郵政、三菱商事社外取締役(現任)。
国家戦略特区諮問会議議員、産業構造審議会委員など公職多数。京都大学法学部卒業。

石黒 不二代
ネットイヤーグループ株式会社 代表取締役社長CEO

名古屋大学経済学部卒業。米スタンフォード大学MBA取得。
ブラザー工業にて海外向けマーケティング、スワロフスキー・ジャパンにて新規事業担当のマネージャーを務めた後、シリコンバレーでコンサルティング会社を設立。YahooやNetscape, Sony, Panasonicなどを顧客とし日米間のアライアンスや技術移転等に従事。1999年にネットイヤーグループのMBOに参画し、2000年より現職。
近年は、経済産業省「産業構造審議会」委員、内閣官房 「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部」 本部員、内閣府「選択する未来」委員会、外務省「日米経済研究会2016」など多数の公職を歴任。

坂野 尚子
株式会社ノンストレス 代表取締役

国際基督教大学を卒業後、フジテレビアナウンサー、NY特派員を経て、コロンビア大学MBA修得。外資系コンサルティング会社KPMGでディレクター勤務後、94年から(株)キャリア戦略研究所起業。
その後、96年「ザ・クイック」(05年1月より「ノンストレス」に社名変更)を設立。全国展開のネイルサロン「ネイルクイック」とその姉妹店の「ネイルパフェ」、「スパネイル」を経営。NYにも2013年に店舗を開店したが、コロナで、5月に閉店。
「ネイルパフェジェル」のジェルメーカーとしても事業展開中。
著書に「女三十歳、ひとり海を渡る」(あき書房)、「女性の知らない7つのルール」(訳・ダイヤモンド社)、「キャリアカウンセラーが教える“いい仕事”ができる女性」(PHP文庫) など。講演多数。

経済産業省 産業構造審議会 委員
神奈川県なでしこブランド審査員
2018年 日本スパ・ウエルネス協会 IPSN栄誉賞受賞
国際基督教大学 評議員

中村 紀子
株式会社ポピンズホールディングス 代表取締役会長

テレビ朝日アナウンサーを経て、女性エグゼクティブ育成を目的に、
1985年 日本で初の女性管理職の協会JAFE(日本女性エグゼクティブ協会)を設立し、代表へ就任。
1987年 働く女性にとって育児と仕事の両立には、支援が必要なことを実感し、(現)株式会社 ポピンズを設立、代表取締役CEOに就任
2017年5月に行われた世界女性サミット(Global Summit of Women)東京大会では実行委員長を務め、過去最多の62ヶ国1,600名の女性エグゼクティブを迎え成功に導いた。
2018年12月 株式会社ポピンズホールディングス 代表取締役会長に就任

開催日時 2020年11月16日(月)13:30-18:30
会場 オンライン開催
参加対象 企業・団体の代表者、経営者層、個人事業主など(男女不問)

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