レポート

第3回 NEW CONFERENCE
女性経営者等の活躍に向けた会議 ~女性社長が動かす東京の未来~

分科会2:「営業力を高める!」
集客などの「マーケティング」も含めた、
新しい営業スタイルへ

経営するうえで欠かせない「営業力」をテーマとした分科会。日本初、女性営業アウトソーシングをメイン事業とする(株)Surpass代表取締役社長の石原亮子氏が進行を務めます。

まずは「営業のセミナーを開催すると、フリーランスの方や独立したばかりの方が多く参加されます」と石原氏が口火を切ります。
「皆さん、営業経験がないまま独立されて大変な思いをされているという印象がありますが、お二人も営業経験があったわけではないですよね?」
「確かに、いろいろと試行錯誤していったという感じでした」とうなずいたのは、長森真希氏。子ども服の買取・販売コミュニティを通じてサステナブルな循環を創出する(株)キャリ―オンの共同創業者兼取締役COOです。

学生時代からフリーランスでアナウンサーとして活動し、主婦ネットワークを活用した在宅アウトソーシング事業などを展開する(株)キャリア・マムの代表取締役、堤香苗氏は、「会社を立ち上げてからはいろいろな営業を知りたくて、自宅に電話がかかってくるセールスの営業トークなどを聞いていました」と振り返ります。
「今もテレビショッピングなどのトークで、どこが心動かされるかをチェックしていますね」

本格的な営業経験がなかった2人が、事業拡大にあたり、どのようなことを展開していったのか。そこには「発信するワードの選び方」という共通ポイントがありました。取材を受ける際、堤氏は、「何のためにこの会社でこの仕事をやりたいのかということを、結構わかりやすく伝えるようにしました。だから理念を語るときに、新聞や雑誌の見出しになるようなキャッチーなワードを意識して話すようにしました」といいます。

「今のはすごいポイントですね」と石原氏。そして長森氏も「メディアにどうしたら取り上げてもらえるのかは時代によって違うので、堤さんがおっしゃるようにワーディングをすごく変えました。最初はシェアリング・エコノミーがドンピシャだったんですけど、今だとSDGsでいこうとか。営業というと幅広いのでこのあたりはマーケティングの話にもなりますが、PRから入っていくのも私はアリだなと思っています」と語ります。

PRを活用する2人の言葉を受け、石原氏は「営業の4ステップ」というボードを提示します。(1)集客、(2)見込み客フォロー、(3)受注・販売、(4)ファン化、という4つのステップの在り方について、「今までは1と2がマーケティング、3と4が営業と、結構分かれていたんです。それがこのコロナ禍で、やっと営業というひとことでセットになりました。全部をワンストップで進めていくと非常に効率化できます。気合、根性じゃない営業、新しい時代の営業がつくれると思っています」と、今後の展望を語りました。

さらに話題は、営業の心構えへ。堤氏は「『仕事をください』が先ではなく、自分が何に貢献できるかを伝える」と、重要なポイントを強調します。
「企業の同友会や商工会所など、ビジネスをしたい人が集まっているところにどんどん会いに行って、自分はこんなことができる、何かお役に立てることがあったら、という形で動いていきます。最初は無償でもいいと思うんですよ」

石原氏も「女性だと趣味をそのままお仕事にされている方も多いのですが、そうすると自分の思いが強すぎて、相手からの視点が抜けがちなんですね。これから変わること、普遍的なことと両方あるのかなと思いますが、普遍的なことでいえば営業は、やはり自分が相手に何を提供できるかが大事ということ」と共感。「そう、相手にとってのメリットは何かということは常に明確にしておくべきだなと思います」と、長森氏もうなずきます。

さらに、企業への営業と個人への営業の違い、情報開示することで信用を獲得すること、ビジネスコンテストの活用などについてディスカッション。後半は参加者から「効果的なプレスリリースの書き方」について質問があり、情報をシンプルに伝える手法などへと話題が広がりました。

コロナ禍の影響もあり、営業スタイルが大きく変わりつつある今。「『営業』っていう単語は、昭和っぽい響きがするね」「確かに!」「もう『セールス・アンド・マーケティング』に変えましょう」「言葉も含めてリフレッシュする、新しい概念をつくるときなのかも」と語り合う3人の明るい表情から、これからの営業の可能性に向けて、大きく期待が膨らんだディスカッションでした。

石原 亮子
株式会社Surpass 代表取締役社長

2008年に「営業のあり方を変えたい」という思いで、日本で初めて女性営業アウトソーシングをメイン事業とした株式会社Surpassを設立。
生命保険、地下水プラント、EC広告代理店、IR資料の制作・翻訳をはじめ、約80業種の営業に携わった実績を持つ。
2017年に続き、2019年「Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2019」従業員数300名未満の部受賞。
積極的に女性を採用し、女性が活躍できる環境のある会社に送られる「WOMAN‘S VALUE AWARD2019」総合部門特別賞を受賞。
2018年7月より起業家・創業者の世界的ネットワークであるEO Tokyoメンバーシップ理事に就任。
『女性活躍』という言葉がなくなる社会を目指すべく日々邁進している。

堤 香苗
株式会社キャリア・マム 代表取締役

神戸女学院高等学部、早稲田大学第一文学部・演劇専攻卒業
大学在学中よりフリーアナウンサーとしてTV・ラジオのDJ、パーソナリティとして活躍。
第一子を育児中に創業し、主婦目線を活かしたマーケティングや商品開発などの事業を始め、2000年に「株式会社キャリア・マム」を設立し、代表取締役に就任。
全国10万人超の主婦ネットワークを活用した在宅アウトソーシング事業や、官公庁や自治体より受託運営する女性の再就業教育訓練事業に加え、2018年には東京都認定インキュベーション施設「コワーキングCoCoプレイス」を開業。
オフィスと保育室が隣り合い、育児と仕事がシームレスにつながる空間を実現。
内閣府「女性のチャレンジ支援賞」、東京都「第一回女性活躍推進大賞 個人部門」など受賞実績多数。

長森 真希
株式会社キャリ―オン 共同創業者兼取締役COO

慶應義塾大学卒業後、デンマークの海運世界最大手MaerskLineに入社。その後フリーランスの日英バイリンガルMC/アナウンサー・通訳として主に国際会議やスポーツ国際大会、海外トレードショー等で活躍し、2013年株式会社キャリーオンを設立。
子ども服の買取・販売コミュニティ「キャリーオン」は、ママのニーズを捉えた手軽な出品方法、丁寧な商品管理、高品質な販売商品などの特長が多くのユーザーの支持を集めており、国内最大規模を誇る。まだ着用できる子ども服が誰かの新しい衣類になるというサステイナブルな循環を創出することで、アパレル業界で深刻な課題となっている環境問題を解決しつつ、SDGsの達成に向け新たな挑戦を続けている。

開催日時 2020年11月16日(月)13:30-18:30
会場 オンライン開催
参加対象 企業・団体の代表者、経営者層、個人事業主など(男女不問)

おすすめ記事