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レポート

第3回 NEW CONFERENCE
女性経営者等の活躍に向けた会議 ~女性社長が動かす東京の未来~

分科会1:「売り上げ10億円を目指す」事業計画
目的から逆算する。選択と集中を見極める。
成長する事業計画とは

起業し、事業を拡大する。「売り上げ10億円」という明確な数字を掲げた分科会のスタートです。ファシリテートは、(株)クラウドクリニック 代表取締役の川島史子氏。2015年に起業、クラウド技術を利用して事務作業を受託することで、医師の負担軽減という社会的課題と女性の働き方改革を同時に解決するビジネスとして注目を集めています。

川島氏が「テレビや雑誌でお名前を見ない日がないくらい」と紹介したのは、家事代行サービスのパイオニアである(株)ベアーズ取締役副社長の髙橋ゆき氏。「21年前の設立時から、売り上げ10億円を目指していましたか?」との質問に、「もちろん」と即答します。
「数字というより、私は“産業”を作ろうとしていたので、10億は当然ながら通過ポイント。必須ということでスタートしました」

STOCK POINT(株)代表取締役の土屋清美氏は、2016年の創業です。世界初となる株価連動型のポイントサービスを展開、革新的なビジネスで数々の賞を受賞しています。
「事業計画は書いたんですけど、それはこうだったらいいなというもので(笑)、最初は本当に手探り状態でした。やっぱり当然ながらその通りにいかないので、その時にさてどうするか?ということが重要だと思っています」

川島氏自身は、「私は最初、事業を拡大する意味がわからなくて…」と振り返ります。
「ゆきさんにメンタリングをしてもらって、『会社を通じてどういう社会にしたいのか、逆算したほうがいい』とアドバイスをいただいてからは、逆にすごく大きな夢、数字を立てて(笑)。それから逆算をし、『ということは、今年はこれぐらいまで頑張らなきゃ!』と、自分を鼓舞するような形で事業計画を立て直しましたね」

話題は、土屋氏と川島氏が迎えている「5年目」というターニングポイントへ。髙橋氏はその頃、「経産省の外郭団体に加入するなどして学びました」といいます。さらに、「ビジネスモデルを途中でB to CからB to Bへ大きく転換した」という土屋氏、コツコツと縁をつなげていくことがビジネスの開花につながった川島氏など、中長期の事業戦略についての体験談も。

後半は、参加者とともに議論を進めていきます。「本当にやりたい事業はこれから」と語っていた土屋氏に、「自分もそう考えているので、土屋さんの今の状況を教えてほしい」という質問が。「今までの世の中にまったくなかったサービスなので、できない理由を一つひとつクリアしているところです。かなりステップは登ってきているので、あと一歩。頑張っています」と期待の膨らむ答えが。「素敵です!」と川島氏が目を輝かせます。

続けて、ECサイトを運営している経営者の方から「PRで反応が早かった顧客が、10回ほどで利用をやめてしまう。継続してもらうためには?」という相談があり、髙橋氏からは「弊社では、本音でアドバイスをいただけるミステリーカスタマーに協力いただきました。最初は知人で始めて、今は第三者に厳しいご意見をいただいています」、土屋氏からは「どこで離脱しているのかなど、お客さまの行動を数値化して科学的にデータを取ってみるのもひとつありますね。無料で使えるツールもあります」と、具体的なアドバイスが。さらに「コロナ禍でどんな影響があったのか」「事業計画を作る上でもっとも大事なポイントは?」などの質問とともに、活発に意見を交わしていきました。

「成長のフェーズに応じて、開発や営業のアクセルをどこで踏むか、選択と集中が大事」「どんどん変わり続けなければいけない、ゴールはない」など、キーワードが飛び交ったひととき。川島氏が「皆さんを勇気づけるメッセージを!」と呼びかけると、土屋氏からは「最初はいろいろ山あり谷あり、いや、谷ばかりかもしれないんですけど、やはり諦めずに粘り強くやることが一番だと思います。そのためには自分の心が折れないということも重要なので、うまくバランスを取りながら、女性らしくしなやかに事業をつくっていければ」、高橋氏からは「私は最近、『幸動』しようということをお伝えしています。幸せが動くと書いて、幸動。幸せな気持ちで始めたことは、幸せなところにつながる。事業を通して幸動することを皆さんと共有したいとと思います」とエールが送られました。

最後は川島氏が「今日は会場で皆さんのお顔を見られないのがすごく寂しいですけど、熱量は伝わっているかなと。1人じゃない、いろいろな方がいると感じていただけたらと思います」と、温かな言葉で締めくくりました。

川島 史子
株式会社クラウドクリニック 代表取締役

日本福祉大学社会福祉学部Ⅱ部卒業後、長年医療福祉業界に従事。
2007年ダスキンヘルスケア入社、名古屋大学医学部附属病院共同研究員として医療コンシェルジュサービス開発。 2014年医療サービス教育会社、株式会社PLUS F設立。
在宅医療を行う医師の負担と、女性のキャリア形成の課題を同時に解決する“クラウドクリニック”の仕組みを考案。2015年株式会社クラウドクリニックを設立。
クラウド技術を利用し事務作業を受託することで、医師の負担軽減という社会的課題と、女性の働き方改革を同時に解決するビジネスとして注目される。
第2回女性起業チャレンジ制度グランプリ受賞。日本政策投資銀行主催第6回DBJ女性新ビジネスプランコンペティション女性起業大賞受賞。2019年EY Entrepreneuraial Winning Women

髙橋 ゆき
株式会社ベアーズ 取締役副社長

家事代行サービスのパイオニアであり、リーディングカンパニー株式会社ベアーズの取締役副社長。
社内では主にブランディング、マーケティング、新サービス開発、人財育成担当。
同社は2012年テレビ東京「カンブリア宮殿」に出演。2017年には日本初となる「家事支援サービス認証」(日本規格協会)を取得した。 個人としても、日本能率協会「経営・マーケティング戦略コース」をはじめとする、各種ビジネススクールのコメンテーターを務める。
家事研究家、日本の暮らし方研究家としても、テレビ・雑誌などで幅広働く活躍中。
2015年 に世界初の家事大学設立、学長として新たな挑戦を開始。
2016年のTBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」でも家事監修を担当した。
1男1女の母でもある。

土屋 清美
STOCK POINT株式会社 代表取締役

東京工業大学理学部応用物理学科卒業。電通国際情報サービス、クォンツリサーチを経て、2006年にSound-F(現Sound-FinTech)を創業。金融ITコンサルティング・システム開発事業を開始。2016年にSTOCK POINTを創業。2017年、世界初となる株価連動型のポイントサービスを開始する。イノベーションにあふれた女性経営者を表彰する“DBJ女性新ビジネスコンテスト2017”ファイナリストを受賞。“EY Winning Women 2017”ファイナリスト受賞、同アジアパシフィック部門にノミネート。

開催日時 2020年11月16日(月)13:30-18:30
会場 オンライン開催
参加対象 企業・団体の代表者、経営者層、個人事業主など(男女不問)
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