レポート

第3回 NEW CONFERENCE
女性経営者等の活躍に向けた会議 ~女性社長が動かす東京の未来~

基調講演3:永久ベンチャー 起業活性化に向けた取組〜南場智子
ザクロのように閉じられた人材を表に出し、
日本経済をプラスに!

自宅からリモートでの出演となった南場智子氏。緑が見える明るい窓辺から、リラックスした表情で「こんにちは!」と参加者に語りかけます。
「本当はリアルで会えたらいいなと思うんですけれど、リモートでもこういう会ができるというのは素晴らしいと、前向きに捉えたいと思います」

1999年の(株)ディー・エヌ・エー立ち上げから20年を超え、現在は代表取締役会長を務める南場氏。
「ひとことで言うと、ものすごく自慢できる会社。仲間たちがすごく信頼できます」
好調なインターネット事業、ライブストリーミング事業、ヘルスケア事業の紹介。そして話題は、苦戦を強いられているスポーツ事業へ。

「本当に、真向かいからの風を受けているという感じです」
横浜DeNAベイスターズの本拠地である横浜スタジアムの大改修が終わり、お披露目に向けて準備していた矢先のコロナ禍。そんな中でも、オンラインの観戦ルームやファンフェスティバル開催など工夫を重ねたことにより、「ファンと選手の新しい絆ができました」と楽し気に振り返ります。その展開により、インターネット事業と、球団というリアル事業のシナジーも高めることができたという、社内での思いがけない新たな成果も。

個人的には愛犬との別れなどがあり、実は「今、超絶不調」とのこと。しかし、その表情に暗さはありません。「私にとっての幸せは、誰かの役に立っていること。何かに夢中になっていること」ということで語られたのが、「デライト・ベンチャーズ」という起業活性化の取組です。
「ディー・エヌ・エーの中の正式なキャリアパスとして、独立起業を設けたんです」
そのイメージを、南場氏は「ザクロ」に例えます。
「ザクロのなかに入っている宝石のような粒の一つひとつが人材。それをひっくり返して、外に出す。そのなかで、外に飛び出していく人もいる。その方が会社全体の表面積が大きくなって、またそういう会社と手を組んで、新しい取組ができます」

日本経済の問題の一つが、人材の流動性の欠落。「閉じたザクロのようになっている大企業が、突然イノベーションだ、改革だというのは、やっぱり無理がある」といいます。もう一つの問題は、スタートアップの質と量。「これを桁違いに拡大させないといけない。そこに私の超自慢なディー・エヌ・エーの人材をぐーっと出していって、彼らに起業してもらって大成功してもらうと、絶対に日本経済のためにプラスになる」と意気込みます。

「次のミーティングの呼び出しがかかりました!」と画面に向けてスマートフォンを見せ、「じゃあ、さようなら!」と弾けるような笑顔で締めくくった南場氏。最後まで何度も身を乗り出してパワフルに語り、熱い情熱が伝わってくるひとときとなりました。

南場 智子
株式会社ディー・エヌ・エー 代表取締役会長

新潟県出身
1986年、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。
1990年、ハーバード・ビジネス・スクールにてMBAを取得し、1996年、マッキンゼーでパートナー(役員)に就任。
1999年に同社を退社して株式会社ディー・エヌ・エーを設立、代表取締役社長に就任。
2005年東証マザーズ上場を果たす(07年東証第一部に指定替え)。
11年に、病気療養中の夫の看病に力を注ぐため、同社代表取締役社長兼CEOを退任、取締役を経て、2015年6月取締役会長就任。2015年1月、横浜DeNAベイスターズ オーナーに就任。
2017年3月、株式会社ディー・エヌ・エー 代表取締役会長に就任(現任)。
2003年内閣IT戦略本部員、04年規制改革・民間開放推進会議委員、15年 財務省 財政制度等審議会 財政制度分科会委員(現任)、16年 安倍首相を議長とする未来投資会議委員(現任) などを歴任。 
2013年、初の自著となる『不格好経営―チームDeNAの挑戦』(日本経済新聞出版社)を出版。

開催日時 2020年11月16日(月)13:30-18:30
会場 オンライン開催
参加対象 企業・団体の代表者、経営者層、個人事業主など(男女不問)

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