レポート

第3回 NEW CONFERENCE
女性経営者等の活躍に向けた会議 ~女性社長が動かす東京の未来~

基調講演1:魅力的な働き方で、人材を惹きつける経営とは〜小室淑恵
「人口オーナス山」へ飛び移り、
楽しい働き方で成果を上げよう

1人目のスピーカーは、1000社以上の働き方見直しコンサルティングで実績を上げている小室淑恵氏です。15年前、産後3週間で起業という選択。「私自身が、ずっと時間制約付き社長です」と笑顔を見せます。
「だからこそ全員残業ゼロで、いろいろな課題を持つ人が働き続けられる会社ということを実践し、企業の働き方見直しもお手伝いするという新しいスタイルを作ってきました」

データを示しながら、まずは今が日本の経営スタイルの転換期であることを解説します。
「60年代から90年代は『人口ボーナス期』。若者が多く、高齢者が少ない人口比率の時期は、人口構造がその国の経済にボーナスをくれるようなおいしい時期です」
少子高齢化となった今は『人口オーナス期』であり、かつての「指示命令型のティーチング型」で成果を上げることは難しいといいます。求められるマネジメントは「多様な背景を持つ部下が、短時間で美しいパス回しでアウトプットを出す」というスタイル。そのための手法について、自身の会社で実践していることを紹介しながら提案していきます。

「まずは、朝一番で仕事を見える化する『朝メール』を取り入れてみてください」
自分の仕事内容を30分単位で組み立て、社内で共有。そして一日の仕事の終わりには振り返りのメール。情報共有により仕事の属人化を避けられ、「テレワークでもきれいにパスを回すことができる」といいます。

さらに、働く時間と場所の自由を徹底、捺印や郵送などをなくすといった工夫の他、社員で働き方のルールを作る「カエル会議」、有給休暇と別に15分単位で年間36日間休める「新しい休み」、全員が経営者意識で語り合う「ドリームミーティング」など、独自のアイデアを次々にシェア。実践によって売上高アップや有休消化率アップ、出産する人が2.5倍に、求人応募が5倍に…など、驚きの実績を上げている企業事例も紹介されました。

小室氏自身がチャレンジしていることとして語られたのは、民間へオーダーが広がる「残業の震源地」中央省庁への働きかけ。「私たちに7割テレワークと言っているのに、なぜ政府は9割以上が出勤、24時間不夜城なのか。一緒に働き方を見直しましょうということで、皆さんもぜひ署名をお願いします」と、活動への参加を呼びかけました。

最後にスライドで示されたのは、2つの山のイラストです。
「人口ボーナス山は、もう沈み込んでいます。隣の人口オーナス山は、効率良くリラックスしながら、多様性を大事にしていく。この働き方は断然、楽しいんです。2つの山は地続きではありません。思い切って、青々と繁った人口オーナス山に飛び移ってください」
魅力的な働き方で、良い人材をどんどん惹き付ける。そんな「楽しい経営」を具体的に示した小室氏。すぐに実践したくなるヒントが満載の、心躍るスピーチでした。

小室 淑恵
株式会社ワーク・ライフバランス 代表取締役社長

1000社以上の企業へのコンサルティング実績を持ち、残業を減らして業績を上げる「働き方見直しコンサルティング」の手法に定評がある。安倍内閣産業競争力会議民間議員、経済産業省産業構造審議会、文部科学省中央教育審議会などの委員を歴任。著書に『プレイングマネージャー「残業ゼロ」の仕事術』(ダイヤモンド社)『働き方改革生産性とモチベーションが上がる事例20社』(毎日新聞出版)『6時に帰るチーム術』(日本能率協会マネジメントセンター)『マンガでやさしくわかる6時に帰るチーム術』(日本能率協会マネジメントセンター)等多数。「朝メール.com」「介護と仕事の両立ナビ」「WLB組織診断」「育児と仕事の調和プログラムアルモ」等のWEBサービスを開発し、1000社以上に導入。「WLBコンサルタント養成講座」を主宰し、1600名の卒業生が全国で活躍中。私生活では二児の母。

開催日時 2020年11月16日(月)13:30-18:30
会場 オンライン開催
参加対象 企業・団体の代表者、経営者層、個人事業主など(男女不問)

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