レポート

第2回 NEW CONFERENCE
女性経営者等の活躍に向けた会議~女性社長が動かす東京の未来~

分科会4:V字回復の戦略とビジネスプラン
社会に必要とされる存在か、それを問いながら事業継続を

めっき加工とメディア。業種もキャリアストーリーも全く異なる2人の女性経営者が登壇し、V字の谷底に立った体験談から、奮い立つきっかけ、再建への戦略、今後のビジネスプランなどを、会場の皆さんとともにディスカッションしました。

この分科会に登壇された2人の女性経営者。まずお一人は、1932年創業のめっき加工会社の3代目として事業を継承し、12億あった負債を2年半で完済。積極的な設備投資と人財登用により、業績も社員数も3倍に成長させた株式会社センショー代表取締役の堀内麻祐子氏。もう一人は、院卒後にITビジネスで起業、その後伝統的なファミリービジネスの役員を経て、2017年からジャパンタイムズ代表取締役会長として、日本から海外への情報発信のプラットフォーム化を進めている末松弥奈子氏です。

ファシリテーターをつとめる小島慶子氏が、「V字の一番深い谷底だった時期」を問うと、堀内氏は「父が亡くなって、残ったのが12億の借金と、ほとんどが60代・70代の従業員18名と、すごく古い機械だけ。この状態でやっていけるのかと、その時が一番底でした」。そんなとき、数少ない20代の社員が「仕方がない、こんな仕事しか出来ひんし」と話すのを聞いて、若い人が夢や希望を持てる会社をつくらなくては!と奮い立ったと語ります。

「今まさに再建に取り組んでいる最中」という末松氏は、2017年にジャパンタイムズの代表を引き受けたとき、「120年も歴史がある新聞というプレッシャーはあった」。その一方で、それまで5年居た旧体質のファミリービジネスとは違い、ジャパンタイムズは「編集長も女性で、もちろん外国籍の人もいるし、ダイバーシティの先進企業。そのダイバーシティの良さを引き出せると思った」とも。そして、今、「競争相手が国内の新聞社ではなく海外のメディアカンパニーになる。しかも、テックカンパニーがこぞって今メディア事業をやっているので、そこと戦っていくためには企業文化を変えていかなくてはいけない」、それが一番大きなハードルと感じているといいます。

会場からの最初の声は、「ジャパンタイムズがプラットフォームに変わってくれたら、海外からの投資も集まりやすいし日本の意識も変わると思う。それはぜひともお願いしたい!」と、末松氏への熱いエールでした。会場全体がフラットな場となり、インタラクティブなディスカッションが進みます。

「事業継承のスキーム、プランはどうやって考えついたのか」との質問に、末松氏は「借金も返して資金も借りられて設備投資もできるような会社を作る方法はないかと、メインバンク、公認会計士、弁護士と一緒に考えた」と答えます。今回、会場の皆さんに資料として配布した「事業継承のスキーム」に関して、借金の減殺、黒字化のプロセス、売り上げを伸ばす戦略など、かなり突っ込んだ質問が続々と出て、一つ一つ具体的に堀内氏が回答し、細かくメモをとる姿も数多く見られます。

一方、末松氏への質問の多くは、2020年4月に開校予定の全寮制インターナショナルスクールに関するものでした。「この教育、この小学校を続けることが、日本の景色を変えることになると思っています」と、末松氏は情熱を込めて語ります。

最後の一言では、「もっともっと女性が働けるような、つまりは男性にとっても働きやすい工場づくりを、これからどんどん進めていきたい」と堀内氏。「社会に必要とされる存在であるか、それを問い続けながら事業継続を図っていきたい」と末松氏。小島氏が、教育の話を受けて、「20年後、子どもたちが自分のスキルを日本で生かしたいと思ってくれるような世の中が実現しているといいなあ」と未来に想いを馳せたところで、大きな拍手とともに終了となりました。

開催日時 令和元年11月30日(土)13:00~19:30
会場 品川プリンスホテル プリンスホール
東京都港区高輪4-10-30 品川プリンスホテル アネックスタワー5階
参加対象 企業・団体の代表者と経営層、個人事業主など(男女不問)

おすすめ記事